相続登記が義務化される?

法律コラム

相続登記が義務化される?

 

 

弁護士法人琉球法律事務所

弁護士 上原 光理

 

 

相続登記が義務化されると聞いたことがありますか?

 これまで相続登記は義務ではなく任意で行われていました。

 しかし、相続登記が行われないために、所有者に連絡がつかない所有者不明土地が増え問題となっています。行政の調査によると、所有者不明土地は全体の2割程度に達し、土地の有効活用の弊害となっています。

 そこで、現在の国会において、相続登記の義務化等の法案が検討されています。

 具体的には、相続による取得を知ってから3年以内に登記を行わなければならない義務や、所有者が住所・氏名を変更した場合に2年以内に登記を行わなければならない義務等が検討され、義務違反の場合には過料を科すことも検討されています。

 私が相談をお聞きするお客様の中にも、相続開始時点で遺産分割協議を行わず、登記が被相続人名義のままとなり、今になって相続登記を行いたくても、相続人の数が増えて全員から同意を取ることが困難となったり、相続人の1人が行方不明となり相続登記を行うことができないという事例が少なくはありません。

 そのため、今回の相続登記等の義務化はこのような問題も予防できるのではないかと考えております。