法律コラム

自筆の遺言書を活用しよう!

2021年2月2日(火)

「自筆の遺言書を活用しよう。」

 

 弁護士法人琉球法律事務所

 弁護士 山下 剛

遺言書を作ると聞くと、皆さん「公証役場」に行って作成する遺言のことを想像しませんか?これは法律上「公正証書遺言」と呼ばれる遺言書です。

 「公正証書遺言」は、主に公証役場の公証人に自分が残したい遺言の内容を伝え、公証人がワープロ等で作成した遺言書に署名・押印をするという方法で作られます。「公正証書遺言」は、原本を公証役場が保管してくれますし、遺言を残した方が亡くなった場合には、相続人が遺言書の有無を検索することも出来ます。検認手続といって、家庭裁判所で遺言書の内容などを確認する手続も不要となります。

 

 しかし、「公証役場」に行かなければならないのか等と億劫になるようであれば、まずは自筆の遺言書を作成してみてはいかがでしょうか。

 よく考えてみてください。これは縁起でもない話ですが、明日交通事故で亡くなるかもしれません。いつか、しっかりした遺言書を作ろうと思っていても間に合わないこともあるのです。年齢は関係ありません。

もしも明日自分が亡くなるかもしれないと思ったら、どのように財産を承継したいですか?

法律上遺言書は何度でも書き直すことが許されています。

遺言書を作成してから、財産の内容が変わったり、財産を承継する方が変わったりということもあるはずです。万が一のための「保険」として遺言書を作り、その後書き換えていくということも可能です。

自筆の遺言書であれば、紙とボールペンと印鑑があれば、いつでも自宅で遺言書を作成することができます。

自筆の遺言書については、民法の改正により、全文を自筆で書く必要がなくなり(財産目録等)、法務局で保管してもらえるという制度が創設され、法務局に預けると検認手続が不要になるなど、改正前と比較してぐっと利用しやすくなりました。

遺言書を作らなければならないと思っているけど、なかなか実行に移せないとお悩みの方は、是非とも自筆の遺言書を作成することをお勧めします。