2.雇用対策について

2. 雇用対策(休業に伴う従業員の休業手当の
  資金繰り対策)について

(1)  雇用調整助成金

 

雇用調整助成金(新型コロナウィルス対策に伴う特例措置)

 問合せ先:沖縄労働局職業対策課(098-868-3701

 概要は経産省パンフレットP43参照。

雇用調整助成金(特例措置)の概要:

 コロナウィルスの影響により令和241日から630日までに実施された休業について、その期間に従業員に支払われる休業手当の一定割合(中小企業の場合5分の4又は10分の9)を国が助成する措置を言います。

 原則として、実際に上記休業に入る前に休業協定書、休業計画書を作成して提出する必要があります(休業計画書は事後提出も可の場合有り)。雇用保険の被保険者ではない従業員についても制度の適用を受けられます。また、雇用保険適用事業者でなくても制度の適用を受けられる可能性があります。労働局の窓口相談は予約が必要であり、休業協定書等、必要書類の作成も必要になりますので、急ぎの場合はスピードアップのため社会保険労務士等専門家の支援を受けることをお勧めします。

 ご自分で手続きされるための新型コロナウイルスに関するマニュアル・事例など(企業向け)を有志の社会保険労務士の先生方が作成しているようです。

 詳細URL:https://coronaroumu.hrbase.jp/

 

(2)整理解雇等について 

 

  日本の労働法の判例法理において、使用者側が事業の縮小を理由として従業員を解雇(整理解雇)する場合、いわゆる「整理解雇の4要件」という条件が全てそろわなければならないとされています。

 

整理解雇の4要件

・人員整理の必要性

・解雇回避努力義務の履行

・被解雇者選定の合理性

・手続の妥当性

 例えば、コロナウィルスの影響で一部事業の売上が急減した場合でも、他の事業が堅調で配置転換をすれば解雇を回避できたような場合には、上記要件が満たされず、整理解雇が無効として後に争われてしまうリスクがあります。このように日本の労働法制ではたとえコロナウィルスのような状況下であっても従業員の解雇については法律的に慎重な判断をする必要があります。

 ※最近の裁判例では,4要件を4つの要素と理解して,整理解雇の規制を緩和する枠組みをとる傾向があるといわれます。もっとも,裁判所は,基本的に,使用者の恣意的な解雇は認めないという厳しい姿勢は維持していますので,解雇については,依然として慎重に判断する必要があります。また,諸種の資金繰り対策や雇用調整助成金,持続化給付金等の諸制度は,解雇回避努力義務の一内容と解釈される可能性もあります。

 従って、県内企業・事業所(使用者側)は、コロナウィルスの影響下でも、雇用調整助成金等の利用可能なあらゆる制度を活用しながら従業員雇用の維持に関しては十分に配慮する必要があります。また、やむを得ない場合でも、再就職支援や未払賃金立替制度等の従業員支援策を検討しましょう。