【使いやすくなった自筆証書遺言(外国居住者の例)】

法律コラム

【使いやすくなった自筆証書遺言(外国居住者の例)】

遺言書サンプル

2021927

弁護士法人琉球法律事務所

 弁護士 絹川恭久

 

 

 先日私が担当した案件で自筆証書遺言保管制度を利用しました。その際にいくつか気づいた点がありますので、今回はその件について書きたいと思います。

「自筆証書遺言保管制度」のメリットを簡単に言うと次の通りです。

まず公正証書遺言と同様に、遺言者の死亡後家庭裁判所での遺言書の検認手続が不要となりますので、遺言者が亡くなった後の遺言執行手続きが簡便になります。

また、自筆証書遺言は自分で作れて、保管費用も3900円と安価なのに対して、公正証書遺言は遺言の対象となる財産の価額について一定割合の報酬を公証人に支払わねばなりません。自筆証書遺言の方が圧倒的に安価です。

更に、将来遺言作成者(依頼者)が死亡した場合に、法務局から遺言が保管されていることを通知する「死亡後通知」制度を使って、依頼者が亡くなった後米国人配偶者に通知することにしました。この「死亡後通知」は公正証書遺言にもない新たな制度です。なお「死亡後通知」は日本国内のみならず、海外の住所にも通知できるのが特徴です。

 

自筆証書遺言はいくつかの面倒はあるものの、新たに導入された自筆証書遺言保管制度のおかげで、公正証書遺言と比べて費用が圧倒的に安いことなど、デメリットを上回るメリットがあると思いますので、ぜひご利用を検討していただければと思います。

以上